フィンは、サーフボードのボトム(海面に接する面)に付いている舵です。
サーフボードに直進性と安定性を生み出し、サーフボードの性能に大きく影響します。
現在のショートボードは、futures(フューチャーフィン)とFCSⅡ(エフシーエスツーフィン)のどちらかのフィンメーカーが採用されています。
当ページでは、futuresとFCSⅡの違いを初心者にも解り易く解説しています。
フィンの付け方や外し方も動画で紹介しています。
futuresとFCSⅡのフィンサイズ表は、体重別にフィンを選ぶ参考にしてください。
フィンの性能を左右する4つの指標「フレックス性(柔軟性)・エリア(大きさ)・スイープ(角度)・フォイル(形状)」があり、
フィンで変わる違いを解説しています。
中でも「フレックス性(柔軟性)」は、特に違いを感じる重要な指標です。
ショートボードのフィンは3種類あります。
①futures(フューチャー):強度と取り外しの便利さに優れています。ネジが一つで固定できるため、素早く楽に装着できます。
②FCSⅡ(エフシーエスツー):FCSフィンの進化版の現行モデル。フィンカップが一体になり弱さを克服したモデルです。
③FCS(エフシーエス):FCSⅡの旧式モデルです。フィンカップが2つ独立していて、フィンに衝撃が加わるとフィンカップごともげてしまう等の強度に問題がありました。
現行販売されているショートボードでは、「フューチャーフィン(futures fin)」と「エフシーエスツーフィン(FCSⅡ fin)」の2種類のどちらかが採用されています。
「エフシーエスフィン(FCS fin)」の製造販売は続いていますが、FCSⅡの過去モデルで、現行のサーフボードでは採用されていません。
フィンカップの形状により、どのフィンのタイプが装着出来るか判別できます。
自分のサーフボードのフィンカップ(フィンボックスとも呼ばれます、フィンを固定するために差し込む所)が、
どのような形状になっているか確認しておきましょう。
フィンの前から、ネジを1つだけ締めるのがフューチャーフィンです。強度が高く脱着も簡単です。
フィンの左右から、2つのネジを締めれるのがFCSⅡフィンです。
2012年からFCSの次世代モデルとして販売されています。
(ネジが不要と謳われていますが、海で外れて無くす事も多いため、1本はネジを使用している方が殆どです。)
フィンカップが2つ独立しているのがFCSフィンですが、現行モデルのサーフボードでは採用されていません。
フィンを購入する際は、futuresフィンなのか、FCSⅡフィンなのかをしっかりと確認しましょう。
長くサーフィンをしているとフィンが増えてきますが、同じタイプのフィンが増えていくので、一度採用したフィンカップは変更しにくくなります。
1990年代より前はサーフボードとフィンが一体となっているものが多くありましたが、現在は殆ど見かけなくなりました。
「グラスオンフィン(通称:オンフィン)」と呼ばれ、サーフボードの性能を最大限引き出すとされますが、
波に合わせたフィンセッティングの柔軟性や持ち運びでの利便性から、フィンカップ(フィンボックス)への支持が圧倒的です。
様々な意見はありますが、気になるフィンの性能については特にどちらが優れていると言い切れません。
どちらのメーカーも、硬さや形状の違う様々なフィンを提供しており、自分の好みのフィンを見つける事ができます。
重さ futures ≦ FCSⅡ(若干フューチャーフィンの方が軽いがほとんど差はありません)
フィンボックス強度 futures = FCSⅡ(強度の違いはほとんどありません)
フィン強度 futures > FCSⅡ(差し込む部分が一体になっているフューチャーの方が強い)
初期コスト futures = FCSⅡ(フィンボックスの価格はほとんど差がありません)
運用コスト futures < FCSⅡ(FCSⅡはフィンを差し込む突起部分がまれに折れる事があります)
脱着方法 futures = FCSⅡ(個人により様々な意見があります)
それぞれの違いを総合的に判断すると、futuresに若干の優位性を感じますが、その差は僅かです。
やはり最後は、脱着方法の違いやブランドイメージ等の個人の好みによる部分が大きいです。
下記の動画では、プロのシェイパー(サーフボードを作る人)が、フィンボックスの仕組み・重さ・強度・コスト面の違いを説明していてとても参考になります。
FCSorFUTUREどっちが良いの?重さ?強度? シェイパーがジャッジ!【サーフィン】【サーフボード】(13:30)EST SURF
フィンカップ(フィンボックス)の形状の違いから、脱着方法に違いがあります。
こちらも動画を見ると解りやすく参考になります。
フューチャーフィンの装着方法は、フィンボックス内にあるバーにフィン後ろの凹みを合わせて斜めに差し込み、
続いて前側をフィンボックスに収め、最後にフィンの前側からネジを締めて固定します。
FCSⅡフィンの装着方法は、フィンボックス内にあるバーにフィンの前方の凹みを合わせて斜めに差し込み、
続いて後ろ側をフィンボックスにカチッとハマるまで押し込み、
最後に2つあるネジ穴の内、後方側を締めて外れないように固定します。
サーフィン 初心者の為の世界一わかりやすい【波乗り授業9】フィンの種類?とフィンの付け方外し方?(6:35)勇海自伝Z
フィンの数は、1~4本装着します。
フィンは、波の上を走る際の直進性、ターンの時の回転性、ホレた波での波への食いつきにも影響します。
ショートボードでは、トライフィン(3本フィン)がバランスが取れたフィンセッティングとして主流です。
シングルフィン:大きなサイズのフィンを一本だけ取付け、ハイスピードでの安定性や直進性に優れるが、ターンの角度が大きくなってしまいます。
ショートボードでは、シングルフィンはほとんど使用しません。主にロングボード用です。
ツインフィン:クイックなターン等回転性に優れ、レール(ボードの淵)を波入れて横に走るのに適していますが、
ハイスピードでの安定性が低く、波への垂直なアプローチが難しい。小波に向いています。
センターフィンが無く、大きめのサイドフィンを2本使用します。
トライフィン(スラスター):ハイスピードでの安定性・ターンの回転性と両方のバランスが取れていて、
様々なコンディションに対応でき、最もポピュラーなフィンセッティングです。
センターフィン1本と、サイドフィン2本の合計3本を取り付けます。
クワッドフィン:直進性にも回転性にも優れている4本フィンもあります。
サイドの2本に大きなフィンをセットし、真ん中の2本に小さいフィンセットし、合計4本を取り付けます。
クワッドは、グラッシー(面ツルとも呼ばれる、海面がつるつる)な波で、高い安定性と回転性を発揮しますが、
面がガタガタのジャンクなコンディションでは、海面の影響を受けやすいデメリットがあります。
フィンを選ぶ時の指標が4つあります。
それぞれがドライブ性(加速性)やコントロール性(制御性)を生み出しています。
フレックス性 = 柔軟性 = 最も違いを感じる重要な指標で、ドライブ性・ホールド性・コントロール性等に影響します。
フォイル = 水流を作る翼のような形状 = 揚力(スピード)を得る形状やコントロール性を高める形状があります。
エリア = サイズ・大きさ・面積 = 体重差によってかかる負荷と脚力による踏み込みの負荷を調整します。
スイープ(レーキ)= 湾曲した角度 = ドライブ性・ホールド性・コントロール性・ターンの回転軸に影響します。
フューチャーフィンもFCSⅡフィンも、様々なタイプのフィンを供給していて、それぞれの好みやこだわりに対応した自分に合ったフィンが見つかります。
【用語解説】
ドライブ性=ターンの際の加速性。フィンがしなり反発する力で加速させる。パワーの無い波で特に性能を発揮します。
ホールド性=海面に吸い付くような安定性、波を掴む力。ホールド性が高いと踏み込みに対する反応が強く、ホールド性が低いと回転性やフィンの抜け感が良くなります。
コントロール性=サーフボードの操作性・制御性。コントロール性が高いとクイックで鋭角なターンに繋がる反面、安定性が下がります。コントロール性が低いと直進性・安定性が増し、早くてパワーのある波で性能を発揮します。
フィンの硬さと高さがフレックス性に影響し、フィンの性能を大きく左右します。
柔らかくフレックス性の高いフィンは、パワーがない波の操作性・加速性が高く、
しなりを利用したドライブの効いたターンに繋がります。
パワーのない波でもスピードを生み出します。初級~中秋者向きです。
硬くフレックス性の低いフィンは、ハイスピード時の操作性・安定性が高く、
反応が敏感でクイックなターンに繋がります。
波へのホールド力に優れ、パワーのある波に向いています。上級者向きです。
フューチャーフィンには、独自にライドナンバーがつけられており、様々な性能のフィンの中から、数値を基準に選択できるようになっています。
futuresのTow Foil(SYM)・FCSⅡの50/50FOIL=トライのセンターフィンに使用されます。
丸みを帯びた形状で適度な抵抗力を作り、スピードを制御して安定性を高めます。
futuresの80/20 Foil・FCSⅡの80/20+70/30FOIL=トライのサイドフィンや、クワッドで後ろの小さいフィンにセッティングされます。
安定性と制御性を保ちながら、クイックなターンも可能にします。
futuresのFlat Foil・FCSⅡのFLATFOIL=フラットな形状でスムーズな水流を作り制御性を高めます。
素早い方向転換を可能にし、上級者やプロサーファー向きです。
futuresのV FoilやV2 Foil・FCSⅡのINSIDEFOIL=翼のような形状により水流を作り、ドライブと呼ばれる揚力を生み出します。上級者向きです。
FCS公式HPではフィンの高さ・幅・面積・角度等による影響を詳しく紹介しています。
FCS公式HPは英語で表示されていて、ちょっと何を言っているのか解らないので、下記の通り翻訳しました。
「デプス(高さ)は、フィンが海中に食い込む長さです。デプスはホールド性に影響します。
高い(深い)ほどホールド性が高まり、低い(浅い)ほどボードがスライドしフィンの抜けが良くなります。
ベース(幅)は、フィンがボードに接する前後の長さです。ベースは主にドライブ性に影響します。
ベースが長いフィンは、ドライブによる加速性を大幅に高めます。
エリア(面積)は、フィンの総表面面積です。
スイープ(角度)は、フィンが後ろに湾曲する角度を表します。スイープは回転軸に影響します。
角度が強いほどターンで描く弧が広くなり、角度が浅いほどターンが狭くなります。レーキとも呼ばれます。」
Futuresは1996年にアメリカのカリフォルニア州ハンティントンビーチで生まれ、
新しいフィンデザインを開発し、現在も限界を超えるために挑戦を続けるサーフツールメーカーです。
フューチャーフィンは、強度に優れており脱着も簡単で、幅広いサーファーからの支持を得ています。
フィンとボードの接する面が広いため、ボードとの一体性が高いとも言われます。
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FCSは、1994年に世界で初めて脱着式のフィンシステムを開発し、最もシェアが高いフィンメーカーです。
2012年に現在のFCSⅡフィンをリリース、
旧型FCSフィンの強度の弱さを克服し、更に脱着時のネジ締めが不要になり、フィンセッティングの変更を容易にしました。
(ネジが不要と謳われていますが、リーシュコードがフィンに絡まったり、足がフィンに当たった時に外れて、海に落として無くなってしまう事も多いため、1本はネジを使用している方が殆どです。)
FCSは、フィン以外にもボードケースやデッキパッド等その他の商品も豊富で、
最新のテクノロジーで品質の高いサーフツールを供給し続けています。
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FCSフィン(エフシーエスフィン)は、1994年に世界で初めて脱着式のフィンが開発され、
あっという間に世界中に普及し、サーフボードの性能アップや移動の際の持ち運びを容易にしました。
この旧型のFCSフィンは、フィンカップが独立しているため個々の強度が弱く、
フィンに強い衝撃があった時にフィンカップがもげてしまう弱点がありました。
FCSⅡフィンの旧型で、古いサーフボードにも対応するためフィン自体は現在も製造販売されていますが、
このフィンカップが新しいサーフボードで採用されることはありません。
FCSフィンは、インフィルキットを使用する事でFCSⅡフィンカップに取り付ける事ができます。
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インフィルキット
FCS2のフィンカップに、以前のFCSフィンを装着するためのキットです。
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フィンキーはフィンを外す際に必要になります。
フューチャーフィンとFCSⅡフィンの両方に使えます。
現在、ほとんどのサーフボードはフィンが取り外し可能になっているので、常に携帯して置くと便利です。
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ラチェット機能が付いた力が入れやすいドライバータイプ。
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futuresフィン用のいもねじ
フューチャーフィンを固定したり、外したりするネジです。
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FCSⅡ用のいもねじ
FCSフィンを固定したり、外したりするネジです。
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以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
当ページが皆様のサーフィンライフのお役に立てれば幸いです。
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